・ ・ プロセス・Minako様 ・ ・
3) 旅の記憶
美菜子さんは、子どもの頃にドイツ、
高校生の時にはアメリカ、
大学生の頃はカナダに留学と
外国で暮らした経験が多く、
色んな国の文化に興味と理解を持たれています。
ご婚約者の彼も、写真をはじめ
音楽や絵画、芸術全般に造詣の深い方です。
おふたりは、留学先のカナダで知り合われました。
「ドイツの湖のほとりでご家族と」
最初はお互いに日本人同士であることも
はっきりと分からないまま、
同じスクールにいながらも距離を置きながら、
英語で会話を始めたというおふたりでした。
初めて日本語で話した時には、
距離感が一気に縮まって
なんだか急にとても照れてしまったそう。
古く日本人は、互いに和歌を交わして
結婚を決めたりしました。
おふたりにとってはその瞬間が、
本当の出会いの時だったのかもしれません。
「留学先のお友達と着物姿で」
その年の冬、おふたりは共通のお友達たちと一緒に、
クリスマスから年末をN.Y.で過ごすことになりました。
その時彼にはもう、美菜子さんとの結婚の予感があったとか。
それから後、彼にプロポーズされて。
彼がずっと以前からそう言っていたとお友達に聞いて、
美菜子さんはとても驚かれたそうですが、
たぶん知らなかったのは
彼女だけだったのではないかとも思われる、
マイペースな美菜子さんです。
「ピンクのパーティードレスで」
その方の持っているオーラ、ご雰囲気が、
デザインのインスピレーションになることがあります。
最初に美菜子さんにお会いした時、
黄色がかったグリーンの色合いが
彼女に感じられたような気がしました。
「ドイツの森の木の葉が持つような
そんな生命力が感じられます」とお話ししてみると、
「幼少の頃はドイツにいたんです」とちょっと驚きながら、
子どもの頃のお話をしてくれました。
「ドイツの森で大好きなポニーと」
それから彼女が持って来てくれた
懐かしい色合いの一枚の写真には、
大好きだった白い仔馬と
仲良しだったドイツ人のおじさん、
優しく光る緑の思い出が写っていました。
美菜子さんのルーツを垣間見せてもらったようで、
グリム童話に出てくるお姫様、
ラプンツェルのお姫様が着ていたような
そんなドレスを。彼女におつくりしたくなりました。