秋の桜、白いコスモスを飾って、ヘアメイクコーディネートリハーサル。
バラの花で着飾るつもりのドレスが、
Kaoriさんの心の花のドレスに変わった、エピローグ。
Kaoriさんが送ってくれた3枚の絵の
残る1枚は、ミュシャの「桜草」と「羽根」でした‘。
桜の花のような一重咲きのバラ、「ピュア」を、
リハーサルの前夜から用意していたのですが、
翌朝にはすっかりしおれてしまっていたため、
あわてて急遽、鉢植えの秋桜をご用意しました。
秋桜の花びらは、赤とんぼの羽根のようでもあり、
着物や浴衣のような、日本的なドレス姿になりました
「黒い瞳の中に鮮やかに見えた自分の姿がぼうっとくずれてきた。
静かな水が動いて写る影を乱したように流れ出したと思ったら、
眼がぱちりと閉じて長い睫(まつげ)の間から涙が頬へ垂れた。
すらりと揺らぐ茎の頂に心持ち首を傾けていた細長い一輪の蕾が、
ふっくらと弁(はなびら)を開くと真白な花が鼻の先で匂った。
遥かの上からぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。
露の滴(したた)る、白い花弁(はなびら)に」 くちづけて。
夢十夜の一夜目は、結婚の物語だったことに、Kaoriさんの
花嫁衣裳をつくらせていただいて、あらためて気がつきました。