6) 母の教えてくれた色

・ ・ プロセス・Minako様 ・ ・

6) 母の教えてくれた色


「白オーヴァースカート本仮縫い」

美菜子さんが披露宴前半の際に
お式時本体ドレスの上に重ねて着られる、
白色のオーヴァースカートです。
光沢があって滑らかな、
仏製シルクシフォン地で仮仕立てをしました。

「ピンクオーヴァードレス本仮縫い」

披露宴後半時、お色直しで着ていただく、
ピンクのオーヴァードレスの仮縫いです。
パターンはもちろん、生地の向きや折り方も、
美菜子さんのお体のラインに沿って考えました。

今回おつくりするドレス一式の中で、
パターン、仕立て共に、最も難しいラインのドレスです。
二度の仮縫い、本仮縫いを経てやっと、
このデザインに相応しい生地を最終決定しました。

当初、オフホワイトのシルクオーガンジーを使って
お仕立てをすることを想定していました。

ですがフィッティングを経て、
美菜子さんの肩や首のラインやお肌の色、
また、髪に飾るシルクフラワーやかんざし、
ブーケに使う花の色合いを考え合わせ、
生地の変更をお願いさせていただきました。

「着こなし、立ち振る舞い」

以前、美菜子さんにお似合いになると感じた
スッキリとした緑、優しいグリーンの色合いが、
とても淡く、でも深みのあるエメラルド色に、
お式が近づくにつれて変わってきたように思えました。

逆にフォルムは、より構築的な印象のラインを
思い描くようになってゆきました。
けれど、固い印象にはならないようにお仕立てしたい。
凛とした気品、そして、柔らかな艶やかさが、
美菜子さんに感じられるようになっていました。

立体的なフォルムにつくりこんでも
透明感あって柔らかい印象に仕上がる、
極薄地の薄ピンク色のシルクオーガンジーを、
お色直しドレスの生地にお選びしました。

ベージュピンクとオフホワイト、生成り、
お色直し用本体ドレスの懐かく優しい色合いに
オーヴァードレスを重ね着をしたその時に、
華やかさと気品ある輝きを放てるように。


「二次会ドレスコーディネート」

「お母様の花嫁衣裳を着られて」

お母様がご結婚の際にオーダーをされ、
お色直しで着られたという白とピンクのドレスと
共布でつくられたボンネを、
美菜子さんが持ってきて下さいました。

白のオーガンジーリボンが縫いこまれ
ピンクのスパンコール刺繍がなされて、
華やかに可愛らしく、丁寧な手仕事でつくられた
ふわふわとしたその優しげなドレスは、
なんだか美菜子さんのようでした。

彼女のお色直しドレスの腰に飾る
シルクフラワーを色ブーケがわりにして、
ボンネを斜めに飾って、記念撮影。

このドレスには、小さなラウンドブーケが似合うかな。
白とピンク、エメラルドグリーン色の
手毬のようなブーケが。そんなことを思いました。

 

 

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