胸元と脇、背中を大きく開けた立体のパターン

胸元を深く開けるデザインラインが人気です。

胸元だけを開けてつくることはパターン的に難しくないのですが、

胸元に合わせて脇も大きく開けてつくられているラインが人気なのです。

脇があいているとその分胴体が細く見えるという効果があるからでしょう。

脇を開けてかつ胸のラインを立体的に表現するのには、高いパターン技術が必要になります。

たとえばこちらのドレスですと、胸元は大きく開いてでも胸のラインは平面的です。

胸元を深くなおかつ脇も開けて、胸のラインを立体的に見せるための技術の難易度は高いものです。

たとえばこちらですと胸元も脇も深く開いていながら、胸のラインが立体的に表現されています。

肩や背中までを硬い生地でつくる場合には、立体性の表現はさほど難しくないのですが、

肩を出すビスチェスタイルでありながら、柔らかい生地で肩をつくったり

背中までを大きく開けて立体をつくるのは、パターンの技術的に非常に難しいことです。

脇と背中を大きく開けたドレスで胸のラインを立体的につくることも難しいですが、

背中を開けてかつウエストまでを細く見せる立体性の実現となりますと

既存の衣装ではまず実現が不可能です。

服は身頃は肩、スカートは腰(ウエスト)で着ます。ドレスはバストとウエストで着ます。

 

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くるみボタン&糸ループ

 

ひなぎくのドレスの特徴であるくるみボタン。
飾りのくるみボタンとは一線を画する、
本来の、正統的なくるみボタン&ループです。

スカートから上身頃まで、
丁寧に、等間隔に並ぶ、
くるみボタンとループ。
くるみボタンは生地の上に、整然と縫い付けられます。

体型が変動した場合、
くるみボタンをいくつか位置を変えて、
縫い付け直すことによって比較的簡単に、
体にフィットしたラインを作ることが出来ます。

ウェディングドレスひなぎくトピックス

ファスナーの上にくるみボタンをつけただけでは、
細かい調整は出来ません。
曲線的でエレガンスなライン。
これはパターンの精度や、
仮縫の丁寧さだけでは達成出来ません。
くるみボタンという本来のドレス製作技術を用いて、
はじめて実現できるものなのです。

裁縫の難易度の高いくるみ&ループですが、
美しく、エレガントなドレス姿を実現するためには、
どうしてもくるみボタン&ループが必要だと、
ひなぎくは考えています。

 

 

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レース刺繍

 

 

ひなぎくの自慢のアイテム、レース刺繍のヴェールです。
世界最高峰のレース会社、
ソルティス(Solstiss)のレースを使って、
丁寧に作られています。

 

裾から上部に立ち昇るように、
レースが配置されています。
このようなレース刺繍の作り方をご説明いたします。

元来つながっているレースを、
カットしてチュールの上に載せてゆきます。
実はこの、配置してゆくのが最も大変な作業で、
目と脳に大変負担がかかります。

配置したレースを縫いとめます。
ゴールドレースの縫いとめを、黒線で示してあります。
レースの輪郭に沿って、細かく縫われています。
黒い棒はサイズ比較に置いたボールペンです。

拡大して見てみましょう。

背景に見える肌色は、中指です。
白のレース部分は白の糸で、
ゴールドレースの部分はゴールドの糸で、
細かく、柔らかく縫いとめられています。
もちろんミシンでは無理です。
全て手先の、繊細な作業です。

レースの柄の尖った部分は、
いっそう複雑な縫い方になります。
技術と、根気と、なによりも、
作品にたいする愛着がなければ出来ない作業です。

 

そのような作業を、
大きなチュール全体にしつづけて、
ひなぎくのレース刺繍ヴェールが完成いたします。

 

 

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レース長袖のウェディングドレス

オフの総レース身頃と

レース刺繍チュールスカート

「 金髪と黒いブーツにも似合うオーソドックス ~フォーマルさと繊細さの~ 」

Nagisaさんの、本仮縫いフィッティングで。
オフの総レース身頃とレース刺繍チュールスカート。

ひなぎくの定番ドレスに合わせて、
シンプルに無地のチュールのフェイスヴェールを二重にかけて。

レース長袖のウェディングドレス

身頃のレースが透けて、寧ろ、

花嫁ご自身の存在感が強まります。

内側のショート丈ヴェールに、
ダーツを取って、お顔に沿うようなパターンに。
ちょっとだけ綿帽子風。

外側のヴェールを下げていても、上げていても、
絵になるスタイルの、チュールヴェールです。

本生地をしつけ縫いして、フィッティングするのが、
本仮縫いです。通常、Fit1と呼んでいます。

「ヴィンテージのドレスを見たけれど、
袖周辺のラインが大きくて嫌だったの」とNagisaさん。

繊細なレースを1mm単位で
お体に沿わせてフィッティングすることで出来上がる、

繊細なレース生地の、お体に吸い付くような、パターンライン。

キャサリン妃とはちょうど反対に、
背中がV字に開いているタイプのレース身頃です。

レース長袖2、ウェディングドレス

レースのV字は前開きにも出来ますし、
前後とも開いているようにも、前後とも開かないようにも、
同価格ラインでおつくりすることが出来ます。

レース身頃とビスチェとを、取り外し可能な仕立てにも出来ます。

レース刺繍チュールの上に、無地のチュールも、
幾重にも重ねてつくられたスカートですので、
シンプルなサテンシルクビスチェにも似合います。

Nagisaさんは、ビスチェに合わせてご用意された、
銀の、カッコいいチョーカーNCを付けられるご予定です。

髪は金色に染めるおつもりと、当初よりお伺いしてきてのドレスづくり。
オーソドックスなデザインゆえ、金髪もとてもよく似合われていました。

靴は、黒のブーツを合わせられます。
白の王道ドレスだからこそ、生きる組み合わせ。

Nagisaさんが片方にだけ付けてこられた
星型イヤリングも、黒レース柄でした。

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→Nagisa様挙式当日のお写真へ

 

 

IT技術とオートクチュール

ドレスをお体にジャストフィットさせる、
アトリエとしての作業をお伝えします。

人間の体は一人ひとり違います。
お顔が一人ひとり異なり、
一人ひとり異なったコーディネートが必要なように、
服も元来は、一人ひとり全く違う型紙が必要です。

つるしの洋服でそれが問題にならないのは、
それらの服が体に密着しておらず、
十分なゆとりがあるためです。

例えば昔のドレスのように、
体のラインが出てしまうようなドレスでは、
(この女性、皇妃エリーザベートのような人の場合)
仕立屋が彼女の体と全く同じサイズのボディーを作り、
仮縫いで仕立てた服をそれに着せて、
服を作ってゆきました。
そうしなければ体に密着したラインは製作できません。

もっとも顧客一人ひとりのボディーを作るのは、
大変な手間とコストがかかります。
王族か、大富豪でなければ、
今日ではやっている人々は居ません。

当店では、低コストでそれを達成するために、
パソコンの中に、
お客様一人ひとりのボディーを作っています。
お客様の体を採寸し、
写真で撮影もし、
お客様の体と同じボディーを、
パソコンソフトで製作します。

このボディーの表面を覆う布が、
お客様にからだにぴったり密着する、
ドレスの型紙になります。

もちろん、撮影や採寸でわかるのは、
「気をつけ」の姿勢のサイズだけでして、
実際には人間は動きます。

ですから仮縫い
(シーチングという安い生地でサイズの確認をする作業)は、
欠かせません。

膨張感の無いドレス姿、
体に密着したラインを達成するのは、
今日でも手間はある程度かかります。

それでもテクノロジーの進歩のおかげで、
昔の王侯貴族のようなことが、
簡単にできるようになったのは、
有り難いことですね。

 

 

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片面6枚のパターンと女性らしい曲線

布はある程度の伸縮性がありますが、
 それでも曲線で構成され立体を覆うには、
 できるだけ布の枚数が多いと有利です。

  

 紙から地球儀を作る場合でも、
 細かく切り開くほど、丸い地球儀が作れます。
それと同じです。

 

 こちらはシャルル・ウォルトという、
 「オートクチュールの父」と呼ばれる、
19世紀のデザイナーのドレスです。

  

 デザインや生地、色の好みはさておきまして、
 ほとんど美術品のような、
素晴らしい仕上がりのドレスです。

  

 体に密着する上半身が、
 実に美しく作られています。

 
 上半身の布をよく観察すると、
 片面(つまりたとえば右半身)後ろが、
 3枚の布で構成されています。

  

 後ろが3枚ですと、通常前も3枚になりますから、
 この作品は6枚パターンということになります。
 

  

 この6枚パターンの裁縫、
 女性の体を理想的な曲線で表現できますが、
 縫う手間がどうしても多いため、
ヨーロッパやアメリカの最高級ドレスでも、
最近ではほぼ絶滅状態にあります。
 (今日皆様がレンタルショップで見かけるドレスは、
 ほとんど簡略な4枚パターンのはずです)

  

 ひなぎくでは今でも原則6枚パターンで仕立てています。
 物凄く少数派になってしまいました。

  

 手間はかかりますが、
それでも女性らしい曲線を実現出来ているのは、
 優秀な縫い子さんと、IT技術のおかげです。


 

 

 

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