コラム「ファッション外交」

なにを着るか、ということに関して日本社会はかなり楽な社会です。ドレスコードが無いに等しい。実は西洋は伝統的に大変です。現在でもものすごく頭を使っています。

たとえばトランプさん。

2017年11月、トランプは訪中しましたが、ネクタイが地味です。あまりにも弱気だ、ということで批判を受けたくらいです。メラニア夫人も最大限の心遣いですね。これならば中国の面子も立ちます。

「なぜここまで気を使うのか?」、それは合衆国大統領として、できるだけ戦争はしない、世界と平和にしてゆく活動を頑張っていると、国民に印象づけるためです。おそらくこの時点で、1年以内の対中国のアクションを決意していたと思われます。

現在「ペンス演説」というものが話題になっています。アメリカのペンス副大統領が10月6日に50分もの長い演説をしまして、アメリカと中国はほぼ戦争状態に入った、と宣言しました。

https://www.newshonyaku.com/usa/20181009

これは昨日今日考え付いたことではありません。戦争しかけるアメリカにも経済的に多大の出血を強いることですから、検討に検討を重ねて打ち出した方針です。つまり、中国訪問の時には、すでにあらあらの計画が立っています。

そしてこの1年トランプは「さんざん努力したのだから、この状態にいたったことは、やむなし」ということを、アメリカ国民に納得してもらうために、外交努力をしていたのでしょう。

さて、あなたがメラニアさんだとして、1年後くらいに中国との関係は決定的に破綻するとして、それでも訪中しなければならないとして、どんな服を選びますか?

悩ましいですね。同窓会や結婚式への参加の場合とは比べ物になりません。